누가복음 2장 Japanese Raguet-yaku ラゲ訳「我主イエズスキリストの新約聖書」(1910年版)
Japanese Raguet-yaku ラゲ訳「我主イエズスキリストの新約聖書」(1910年版) · 일본어 · 누가복음 (Luke) · 52절
- 1 其頃、天下の戸籍を取調ぶべしとの詔、セザル、オグストより出しが、
- 2 此戸籍調は、シリノがシリアの総督たりし時に始めたるものなり。
- 3 斯て人皆名を届けんとて、各其故郷に至りけるに、
- 4 ヨゼフもダヴィド家に属し且其血統なれば、
- 5 既に懐胎せる聘定の妻マリアと共に名を届けんとて、ガリレアのナザレト町よりユデアのベトレヘムと云へるダヴィドの町に上れり。
- 6 其處に居りし程に、マリア産期満ちて、
- 7 家子を生み、布に包みて馬槽に臥させ置きたり。是、旅舎に彼等の居る所なかりし故なり。
- 8 然るに此地方に牧者等ありて、夜中交代して己が群を守り居りしが、
- 9 折しも主の使其傍に立ちて、神の榮光彼等を環照らしたれば、彼等大いに懼れたり。
- 10 天使彼等に云ひけるは、懼るる事勿れ、其は我人民一般に及ぶべき大いなる喜の福音を汝等に告ぐればなり。
- 11 蓋今日ダヴィドの町に於て、汝等の為に救主生れ給へり、是主たるキリストなり。
- 12 汝等之を以て徴とせよ、即ち布にて包まれ、馬槽に置かれたる嬰兒を見るべし、と。
- 13 忽ち夥しき天軍天使に加はりて、神を賛美し、
- 14 「最高き處には神に光榮、地には御好意の人々に平安」と唱へたり。
- 15 天使等天に去りて後、牧者等云ひけるは、将我等ベトレヘムまで行き、主の我等に示し給へる事の次第を見ん、と。
- 16 乃ち急ぎ至りて、マリアとヨゼフと馬槽に置かれたる孩兒とに遇へり。
- 17 然て面りに見て、此孩兒に就きて云はれし事を知らせければ、
- 18 聞ける人皆牧者等より云はるる事を不思議に思ひしが、
- 19 マリアは是等の事を悉く心に納めて考合せ居たり。
- 20 斯て牧者等は、己に云はれしに違はず、見聞せし一切の事に就きて、神に光榮を歸し、且賛美し奉りつつ歸れり。
- 21 孩兒の割禮を授かるべき八日目に至りて、未胎内に孕らざる前に天使より云はれし如く、名をイエズスと呼ばれ給へり。
- 22 然てモイゼの律法の儘に、マリアが潔の日數満ちて後、[兩親]孩兒を主に献げん為、携へてエルザレムに往けり。
- 23 是主の律法に録して「総て初に生るる男子は、主の為に聖なる者と稱へらるべし」とあるが故にして、
- 24 又主の律法に云はれたる如く、山鳩一雙か、鴿の雛二羽かを犠牲に献げん為なりき。
- 25 折しもエルザレムに、シメオンと云へる人あり。義人にして神を畏敬し、イスラエル[の民]の慰められん事を待ちて、聖霊の居給ふ所となり、
- 26 聖霊より、主のキリストを見ざるうちは、死せざる事を示されたりしが、
- 27 [聖]霊によりて、[神]殿に至りしに、恰も彼兩親孩兒イエズスを携へ、是が為に律法の慣例に從ひて行はんとて來りければ、
- 28 シメオン孩兒を抱き、神を祝し奉りて云ひけるは、
- 29 主よ、今こそ御言に從ひて僕を安樂に逝かしめ給ふなれ、
- 30 其は我目主の救を見たればなり。
- 31 是ぞ主が萬民の前に備へ給ひし者にして、
- 32 異邦人を照らすべき光、主の民たるイスラエルの光榮なる、と。
- 33 イエズスの父母は、孩兒に就きて云はれたる事を驚嘆したりしが、
- 34 シメオン彼等を祝して、母マリアに云ひけるは、此子は、是イスラエルに於て、多くの人の堕落と復活との為に置かれ、且反抗を受くる徴に立てられたり、
- 35 汝の魂も剣にて刺貫かるべく、而して多くの心の念顕るべし、と。
- 36 又アゼル族なるファヌエルの女に、名はアンナ[と云ひて]、既に至極の老年に及べる女預言者あり。處女の時より七年の間、夫と共に在りしに、
- 37 寡婦となりて、齢八十四に至り、[神]殿を離れず、断食と祈祷とを以て晝夜奉事し居りしが、
- 38 是も同時に來りて、主を稱賛し、エルザレムに於て、贖罪を待てる人々に孩兒の事を語り居たりき。
- 39 [兩親は]主の律法の儘に何事をも果し、ガリレアのナザレトなる己が町に歸りしが、
- 40 孩兒漸く成長して、智恵に満ち、精神の力彌増し給ひ、神の恩寵其上に在りき。
- 41 然て過越の大祝日には、兩親年毎にエルザレムに往き居りしが、
- 42 イエズス十二歳になり給ひし時、兩親祝日の慣例の儘にエルザレムに上りしに、
- 43 祝日過ぎて歸る時、幼きイエズスはエルザレムに留り給へり。兩親は之を知らず、
- 44 道連の中に在らんと思ひつつ、一日路を往き、然て親族知己の中を求めたれども、逢はざりしかば、
- 45 尋ねつつエルザレムに立歸りしに、
- 46 三日目に、イエズスが[神]殿にて學者の中に坐し、彼等に聞き且問ひ居給へるを見付けたり。
- 47 聞く人皆其智恵と應答とに驚き居たりしが、
- 48 兩親は之を見て感嘆せり。斯て母はイエズスに向ひ、子よ、何故我等に斯る事を為ししぞ。看よ、汝の父と我とは憂ひつつ汝を尋ね居たり、と云ひければ、
- 49 イエズス曰ひけるは、何ぞ我を尋ねたるや。我は我父の事を務むべきを知らざりしか、と。
- 50 兩親は此語給ひし御言を暁らざりき。
- 51 然てイエズス彼等と共に下り、ナザレトに至りて彼等に從ひ居給ひしが、母は此総ての事を心に納め居たりき。
- 52 斯てイエズス智恵も齢も、神と人とに於る寵愛も次第に彌増し居給へり。
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